双日、サブサハラで海水淡水化事業を開始
2012/10/29 海外進出, 外国法, 商社
事案の概要
双日はアフリカ中西部のガーナで海水淡水化事業を始める。スペインの水事業大手と共同でプラントの建設から運営までを手がける。2014年には首都アクラで生活用水の供給を始める予定だ。
サブサハラ地域(アフリカのサハラ砂漠以南の地域)では、初の海水淡水化事業となる。この地域は北アフリカより事業リスクが高く、これまで造水設備の整備が進んでいなかった。
事業を行うにあたり、スペインのアベンゴアウォーターが51%、双日が44%、現地企業が5%を出資して共同事業会社を設立し、ガーナ水道公社と25年間の水の長期売買契約を締結した。契約期間満了後は、同公社に事業を無償譲渡する。
プラントの水処理能力は現状のガーナの水需要の7.5%にあたる1日あたり6万トンである。海水淡水化には逆浸透膜(ROM膜)を活用する。ROM膜では日系メーカーが高い技術を持っており、そのあたりに日本勢のビジネスチャンスがありそうだ。
コメント
海外への進出には多くのリスクが伴う。リスクの中には、もちろん法的リスクも含まれる。許認可が非常に多かったり、法的手続の履践に時間がかかってしまったり、贈収賄リスクが潜んでいたり、といったことが考えられるだろう。また、海外の相手と取引を行うに際しては、お互いが常識ととらえている事柄が大きく異なっていることもありうる。
リスクをゼロにすることはできないかもしれない。しかし、リスクがあるから海外取引を避けるというのは賢明とは言い難い。リスクが生じることを前提に、生じうるリスクを正確に見極めてとるべきリスクはとる覚悟をして、そのうえで海外取引を行っていくことが必要になってきているのだと感じる。そうするには、ビジネス展開をする予定の国・地域の法律・常識・国民性等あらゆる事への理解が不可欠となりそうだ。もはや、日本の状況を知っているだけでは、商売は成り立たないということか。
関連コンテンツ
新着情報
- 業務効率化
- LAWGUE公式資料ダウンロード
- ニュース
- 小林製薬、健康被害で紅麹サプリを自主回収/健康食品と製造物責任法2024.3.26
- NEW
- 小林製薬は、「紅麹」の成分が配合されたサプリメントを摂取した人が腎臓の病気になったとして、3月...
- セミナー
- 大橋 乃梨子 弁護士(弁護士法人GVA法律事務所 シニアアソシエイト/東京弁護士会所属)
- 井川 湧理 弁護士(弁護士法人GVA法律事務所/第二東京弁護士会所属)
- 【オンライン】事業譲渡と株式譲渡における法務DDの概要と着目ポイント<基礎編>
- NEW
- 2024/04/09
- 12:00~12:30
- 弁護士
- 南川 克博弁護士
- 弁護士法人かなめ 福岡事務所
- 〒810-0801
福岡県福岡市博多区中洲5丁目3−8 アクア博多 5階
- 解説動画
- 加藤 賢弁護士
- 【無料】上場企業・IPO準備企業の会社法務部門・総務部門・経理部門の担当者が知っておきたい金融商品取引法の開示規制の基礎
- 視聴時間1時間
- 業務効率化
- Araxis Merge 資料請求ページ
- 解説動画
- 大東 泰雄弁護士
- 【無料】優越的地位の濫用・下請法の最新トピック一挙解説 ~コスト上昇下での価格交渉・インボイス制度対応の留意点~
- 終了
- 視聴時間1時間
- 弁護士
- 大口 裕司弁護士
- 三村小松法律事務所
- 〒100-0005
東京都千代田区丸の内2-1-1 明治生命館 6階
- まとめ
- 契約の解除と解約 まとめ2024.2.8
- 今回は取引相手または顧客との関係で問題が生じた際に、どのようにして契約関係を解消するのか、それ...