ヤマダ電機、ベスト電器を買収 業界再編加速
2012/07/12 戦略法務, M&A, 会社法, 流通

事案の概要
家電量販業界は、地上デジタル放送移行に伴うテレビの買い替え特需が終わるなど市場が縮小しており、経営環境は厳しくなっている。そのよう業界の状況下で、家電量販最大手のヤマダ電機が、12日、同業のベスト電器を買収する方針を固めたことが分かった。
現在、ヤマダはベスト株の7%超を保有する第2位株主だが、ベストが実施する第三者割当増資を引き受け、株式の50%超を取得する方針だ。買収額は100億円を超える見通し。テレビ販売の不振や激しい価格競争にさらされる家電量販業界では、6月に5位のビックカメラが7位のコジマを子会社化しており、再編による規模拡大で生き残りを図る動きが活発化している。
両社の連結売上高合計は2兆円を超え、ビック・コジマ連合の2倍前後となる。ヤマダは、規模拡大で2位以下を突き放し、業界トップの地位を固めたい考えだ。
ヤマダはベストの子会社化によってベストの地盤である九州全域の営業基盤を強化する狙いとみられる。ヤマダは東日本、ベストは西日本に店舗が多いため、買収によって地域的に補完関係を築けることから、ベストを子会社化した後も、ベストの上場は維持し「ベスト電器」の店舗名も残す方向。両社は、共同仕入れによるコスト削減や、物流効率化などを目指し、増資で得た資金は、新規出店や既存店の改装費用に充てるとみられる。
ヤマダは国内市場が頭打ちとなる中、中国など海外展開を積極的に進める方針で、インドネシアなどに店舗を持つベストとの関係強化で東南アジア出店を加速するとみられる。
ベストは12年2月期の連結売上高が2617億円で業界8位。「地デジ特需」の反動などで業績が悪化しており、12年2月期の連結税引き後利益が前期より4割以上も減少し、生き残り策を模索していた。
ヤマダとの共同仕入れなどで価格競争力を維持すると同時に、増資資金で不採算店舗の整理に着手する予定だ。
コメント
家電量販業界全体が縮小するなか、各企業は再編による規模拡大や海外展開で生残り策を模索している。その中で、再編の手続や海外展開に伴う交渉を行う人材のニーズが高まっていくだろう。
関連コンテンツ
新着情報
- 解説動画
大東 泰雄弁護士
- 【無料】優越的地位の濫用・下請法の最新トピック一挙解説 ~コスト上昇下での価格交渉・インボイス制度対応の留意点~
- 終了
- 視聴時間1時間
- ニュース
- 記者に営業秘密を漏洩したニデック元社員に賠償命令2025.11.25
- 東洋経済新報社が報じた内容が元ニデック社員によって不正に持ち出された情報に基づくものであったと...
- 弁護士

- 水守 真由弁護士
- 弁護士法人かなめ
- 〒530-0047
大阪府大阪市北区西天満4丁目1−15 西天満内藤ビル 602号
- まとめ
- 中国:AI生成画像の著作権侵害を認めた初の判決~その概要と文化庁「考え方」との比較~2024.4.3
- 「生成AIにより他人著作物の類似物が生成された場合に著作権侵害が認められるか」。この問題に関し...
- 解説動画
浅田 一樹弁護士
- 【無料】国際契約における準拠法と紛争解決条項
- 終了
- 視聴時間1時間
- 業務効率化
- クラウドリーガル公式資料ダウンロード
- 業務効率化
- LAWGUE公式資料ダウンロード
- 弁護士

- 福丸 智温弁護士
- 弁護士法人かなめ
- 〒530-0047
大阪府大阪市北区西天満4丁目1−15 西天満内藤ビル 602号
- セミナー
茂木 翔 弁護士(弁護士法人GVA法律事務所/第一東京弁護士会所属)
- 【オンライン】暗号資産ファンドの最前線:制度改正と実務対応
- 終了
- 2025/05/29
- 12:00~13:00











