【労働者派遣】その雇用形態は大丈夫なのか
2014/10/14 労務法務, 労働者派遣法, その他

10月1日に労働者派遣法が改正され、派遣労働者への保護がより手厚くなった。
今日、派遣社員として働く人は240万人以上おり、多くの人・企業が派遣労働制度に関わっている。しかし、労働者派遣法違反の件数は年々増加しており、大きな問題の一つになっている。そこで、この機会に改めて、労働者派遣について考えてみたい。
労働者派遣制度の現状と問題点
労働者派遣は、専門的な知識や技術を必要とする業務や特殊な雇用管理を必要とする業務分野が増加したこと、自らの希望する日時にあわせて専門的な知識・技術・経験を活かして就業することを希望する人が増えたことなどに伴い、その変化に対応する労働力需給の調整システムとして導入された。労働者派遣は、雇用関係は派遣元の会社と結ぶのに対して、指揮命令関係は派遣先の会社との間にあるという三角関係が生じるのが特徴的である。
違法な派遣の形態として、代表的なのは二重派遣と偽装請負である。二重派遣とは、派遣元の会社から派遣された労働者をさらに別の会社に派遣して指揮命令を受けさせることをいう。また、偽装請負とは、請負労働者に対して発注者から指揮命令を与えることをいう。どちらも、労働者の雇用の安定や労働環境の安全性が十分に図れないおそれがあるとして、禁止されている。その他、派遣先が派遣労働者を指名すること、就業前に派遣先が労働者を面接することも原則禁止されている。
改正の概要
派遣労働者は雇用期間が短期であること、その待遇が十分でないことなどから、正社員に比べて雇用が不安定であり、その保護の必要性が大きい。そのような問題点を解消するため、今回の改正では日雇い派遣の原則禁止、マージン率などの情報提供の義務化、待遇に関する説明の義務化、派遣先の社員との均衡待遇の確保などが改正法で求められている。派遣労働者も立派な労働者であり、適切な労働管理がなされているか改めて検討する必要があるといえる。
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