臓器売買って、何がいけないの?

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ひまわり

医師が起こした臓器売買事件

今月、腎不全を患った東京都内の開業医(55歳)が、1000万円の謝礼を支払って生体腎移植により臓器提供を受ける約束をしたとして、臓器移植法違反容疑(臓器売買の禁止)で逮捕された。
事件には暴力団関係者による仲介もあったとされ、そうであれば臓器移植を巡る不正に暴力団関係者が関与したことが明らかになった初のケースとなる。

腎臓移植の現状-ドナーの圧倒的不足と腎不全患者の苦悩

同開業医は03年に慢性腎不全と診断され、07年2月には移植希望者として日本臓器移植ネットワークに登録して死体腎移植を待っていた。しかし、移植の順番が回ってこず、「人工透析をしても体調は良くならない。」「長生きできないと思った。」などと犯行の動機を語っているという。死体腎移植の他に、親族間での生体腎移植は認められているため、養子縁組を偽装して生体腎移植を受けようとしたというのである。
事件の背景には、移植希望者に対してドナーの数が圧倒的に少ないという現実がある。日本においては、死体腎移植の順番が回ってくるまでに15年かかるとも言われ、同開業医のような焦燥感を抱く者も多いと考えられる。

臓器売買が禁止されるのはなぜ

臓器売買は、現在多くの国で禁止されている。それは、貧困による生活苦から粗悪な治療のもとで腎臓を売る者がいる一方、仲介業者が莫大な利益を得てきたという弊害を反映したものといえる。
確かに、経済的弱者が臓器ブローカーに搾取されるような事態は倫理的に問題があるだろう。

臓器売買合法化論も

一方で、90年代後半以降、臓器不足が深刻なヨーロッパを中心に、医師や倫理学者、経済学者などが臓器売買に賛成する論文を発表している。臓器を売る権利を認めるべきでないか、悪徳なブローカーを排除し、公的な規制の下で臓器売買を認めることは、売り手を保護しつつ臓器不足の解消につながる手段になるのではないか、というのである。
実際、イランでは国家が腎臓を買い上げ、法的に規制された臓器売買の実行がなされているという 。

総括

確かに、悪徳なブローカーを排除することで、貧困者の搾取という事態が防げ、深刻な臓器不足の解消にもつながるという合法化論は、合理的とも思える。
ただ、合法化しても、貧困者の搾取やその他様々な問題は残るのではないか、という疑問も提示されている。
また、身体の一部である臓器を、金銭を対価として売買するという取引には、個人的に抵抗もある。

いずれにせよ、人によって価値観が分かれるデリケートな問題であると思うので、各自考えを深めておくのもよいだろう。

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2011(平成23)年04月 - 2012(平成24)年03月
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大阪弁護士会 高齢者・障害者総合支援センター運営委員会委員
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略歴:
愛知県春日井市出身
愛知県立旭丘高校卒業
2004年 京都大学法学部卒業
2005年 弁護士登録(58期 第二東京弁護士会)
クリフォードチャンス法律事務所外国法共同事業入所
2008年 フランス系ラグジュアリーブランド日本支社(出向)
2010年 アメリカ、Duke University School of Law(法学部)LLM卒業
2010年 クリフォードチャンス香港オフィス(出向)
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2013年 ニューヨーク州弁護士登録
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