マイナンバー法が与える企業への影響

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そもそもマイナンバーとは

マイナンバー制度とは、社会保障や税、災害対策等の一定の分野における事務(マイナンバー法9条)において、住民票を有する者全てに割り振られる12桁の個人番号を用いることにより、個人の識別を行うものである。
これまでは基本4情報(氏名・住居・性別・生年月日)の組み合わせにより個人の識別を行っていたが、これらは変更が可能であり、生活保護費の二重受給等の不正行為を招いたり、また行政の非効率化も招いていた。
しかし、マイナンバーは原則としてその人が死亡しない限り変更はされない(例外として、漏えいして不正の手段に用いられるおそれがあると認められる場合は変更される。同法7条2項)。
そのため、マイナンバー制度の導入により、個人の識別を確実かつ容易に行えるようになり、行政の効率化も図れる。

企業とマイナンバーの関係

企業がマイナンバーを利用するのは、行政機関等に提出すべき書類(所得税法等の法令に基づく源泉徴収票等)に従業員のマイナンバーを記載するときなどの一定の事務に限定される(同法3条)
マイナンバーは個人情報であり、漏えいによる流出、なりすまし等の不正利用を防止する必要があるためである。
また、内閣府外局の第三者機関である特定個人情報保護委員会は、企業等の民間事業者に対して、取得・管理・委託・破棄に関する詳細なガイドラインも設けている。
企業には、これに沿って利用目的の特定や安全管理体制の構築などの対応が求められる。

マイナンバーに対して企業が負う責任

マイナンバーの取扱いにつきマイナンバー法に違反する場合、まず特定個人情報保護委員会から、是正措置を講ずるように勧告を受けることになる。そして、正当な理由なく勧告に従わない場合は、さらに是正措置をとるべきとの命令を受けるが、これに従わないと刑事罰を受けることになる(同法73条、77条)。
また、マイナンバーを利用する事務に従事する従業員が、不正の利益を得る目的で第三者にマイナンバーを提供すれば、その従業員を雇う企業も罰せれられる(同法68条、77条)。
さらに、漏えいに関しては民事訴訟上、損害賠償請求の対象になる。
この責任を回避するには、企業としては、現状においては前述のガイドラインに従うのが最善であろう。
もっとも、ガイドラインに従うとしても、企業はガイドラインの順守に多大な負担を負い、また漏えいも確実に防げるとはいいがたいため、責任を完全に回避するのは困難である。
マイナンバー法は行政側の便宜を図る部分も大きいため、政府が負担金を一部支給する等の方策で企業の負担を軽減しつつ、企業側も社員の教育の徹底化を図ること等により漏えいを防ぐ方策を講ずるなど、行政側と企業の負担のバランスを図りつつ、マイナンバーの漏えいを極限まで回避できるような制度設計が必要でなのではないか。

企業法務ナビよりお知らせ
本記事は、約3年1ヶ月前に投稿された記事です。法律を内容とする記事の特性上、その改正や他の特別法の施行、経過措置期間の経過、関連判例の出現などによって内容が古くなり、現在は誤りとなる可能性がありますので、ご注意下さい。
 
[著者情報] khayazaki

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2002年 第一東京弁護士会 登録替 長島大野常松法律事務所
2004年 外立総合法律事務所
2012年 株式会社カービュー コーポレートリーガルアドバイザー    
2016年 法務室長
2018年 AYM法律事務所開設

弁護士会活動(2018年2月現在)
日本弁護士連合会 ひまわりキャリアサポート 委員
第一東京弁護士会 業務改革委員会 委員 

企業法務を中心とした法律事務所に長年勤務した後、2012年からインターネット系企業の法務責任者としてプラットフォームを利用したメディア・コマースビジネスについてのさまざまな法律問題をサポート。
2018年にAYM法律事務所開設 代表弁護士

主な著書
「アメリカのP&A取引と連邦預金保険公社の保護 債権管理 No.96」金融財政事情研究会
「米国インターネット法 最新の判例と法律に見る論点」ジェトロ 共著
「Q&A 災害をめぐる法律と税務」新日本法規 共著
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