コーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)

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昨年12月12日、金融庁と東京証券取引所は、コーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)(以下、「本コード」という)の基本的な考え方について最終原案を公表した。1月の意見公募期間は経過したため、今後、原案を詰める会議が開かれ、その後、東京証券取引所での制度整備が行われる。
本コードは、本年の株主総会を念頭に、本年6月1日からの適用が想定されているため、随時情報収集していく必要がある。

コーポレートガバナンス・コードの適用会社と特性

本コードは、一言で言えば、上場会社を対象とした企業統治の指針であり、株主の権利、情報開示のあり方、取締役会の責務等についての行動規範を網羅したものである。
そのため、適用対象は上場企業に限られる。そして、東証一部・二部の上場企業はもちろん対象となるが、少なくとも本年は、その他の市場の上場企業にどこまで適用されるかは現時点では決まっていない。

また、本コードはその性質に特徴がある。すなわち、本コードは、法的拘束力を有する規範ではなく、その実施にあたっては「コンプライ・オア・エクスプレイン(comply or explain)」(原則を実施するか、実施しない場合には、その理由を説明するか)(ルールに従うべし、さもなくば説明せよ)という手法を採っている。これは、本コードの各原則の中に、各会社の個別事情に照らして実施することが適切でないと考えるものがあれば、「実施しない理由」を説明することにより、実施しないことも許されるということである。

コーポレートガバナンス・コードの概要

本コードの構造は、5つの基本原則から成り立つものである。すなわち、①株主の権利・平等性の確保、②株主以外のステークホルダーとの適切な協働、③適切な情報開示と透明性の確保、④取締役会などの責務(企業戦略等の大きな方向性を示す、独立した客観的な立場から経営陣・取締役に対する実効性の高い監督を行うなど)、⑤株主との対話である。そして、これら5つの基本原則の下位層に原則や補充原則が多数ある。
それら原則の中でポイントとなるものが、Ⅰ独立社外取締役を2人以上選任すること、Ⅱ3分の1以上の独立社外取締役を選任する場合には取組方針を開示すること、Ⅲ政策投資株式については経済合理性が説明できるような議決権行使の適切な基準を示すことである。

現在のところ上場企業では独立社外取締役の選任は十分進んでおらず、また、議決権の行使基準に対する説明も従来までは不十分であったケースも多い。そのため、上場企業としては、多様な面でかつ早期に、前述の「コンプライ・オア・エクスプレイン(comply or explain)」の趣旨に従った対応が求められていくことになる。

企業法務ナビよりお知らせ
本記事は、約5年1ヶ月前に投稿された記事です。法律を内容とする記事の特性上、その改正や他の特別法の施行、経過措置期間の経過、関連判例の出現などによって内容が古くなり、現在は誤りとなる可能性がありますので、ご注意下さい。
 
[著者情報] kishi

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