児童ポルノ撲滅対策の裏側にあるもの。
2011/10/05   法務相談一般, 刑事法, その他

概要

 京都府議会の府民生活・厚生常任委員会は、児童ポルノの取得・所持を禁止し、違反した場合は廃棄命令を出すことを盛り込んだ条例案を可決した。
廃棄命令をつけた条例は全国初であり、成立する見通しである。
 本条例では、すでに法律として制定されている児童買春・ポルノ禁止法で規制されていない提供目的以外の単純所持を禁止している。本条例では、18歳未満の児童の全裸などが写った画像や映像を所持した場合は知事が廃棄命令を出し、従わない場合には30万以下の罰金が課される。

雑感

 児童ポルノを禁止し、児童を性犯罪から守る必要があることは間違いなく、異論はないといえる。また、児童ポルノ自体が性的志向として非難されており、このような条例に反対する意見も少なく、賛成案が通りやすいのも事実であろう。
 しかし、単純所持を罰する規定をもうけることには代償をともなう。全ての国民に冤罪や別件逮捕の危険がつきまとうことになるのである。
例えば、スパムメールで所持してしまった画像を気づかないでいた所持していた場合やHPを閲覧している場合にうちに児童ポルノ画像のあるHPに飛んでしまって、それが携帯電話やPCに残ってしまうことが十分ありうるのである。
 このような場合にも、逮捕につながってしまうケースも十分想定されうる。警察が別件逮捕をおこなおうとする場合にこのような手段が活用されることが想定される。痴漢冤罪事件が問題視されるようになって久しいが、この種の犯罪で逮捕されしまった場合、社会的に抹殺されかねない。問題が起こってからでは遅すぎるのである。
もっと議論を深め、児童ポルノの定義を厳格にしたり、逮捕をする場合に慎重にするような運用を決定した上で制定する必要があるのではないか。

 こういった条例が各地方公共団体で成立するとなると、法律の制定や、ひいては漫画やアニメなどの規制にも反映されていくおそれもある。
 さらには、この犯罪の対象となり、冤罪の危険をともなうのは男性である場合がほとんどであろうと思われるが、そこにも問題がありそうである。

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