復興増税の行方
2011/09/21 税務法務, 租税法, 税法, その他

議論の現状
政府税制調査会はすでに所得税と法人税を軸とする復興増税案をまとめた。具体的には、(1)所得税・個人住民税と法人税(2)所得税・個人住民税と法人税、たばこ税など--の2案で、増税規模は11・2兆円。増税期間は所得税10年間、法人税3年間とし、いずれも12年度から実施する。民主党はこれを受け党税調での議論を本格化させている。
増税の景気への影響は?
法人税の増税による企業や景気への影響が気になるところである。しかし、政府の試算でも民間エコノミストの予測でも、影響は軽微という。むしろ復興需要による浮揚効果から、12年度の成長率は2・9%と今年度の0・5%から大幅に改善する見通しだ。
政府・与党の責任
政府案の責任者である安住淳財務相は「増税期間は10年にこだわらない」と発言したり、党税調の藤井裕久会長は来年度の実施に慎重な発言をしている。たしかに、政治家がその政治生命を左右しかねない増税の議論に慎重になる気持ちはわかる。しかし、被災地の復興をのためには来年度からの増税はやむをえない。もっとも、13兆円規模といわれる復興費がどのように使われるのかを明らかにしなければ国民の理解は得られないだろう。この点についての説明が果たされることが増税の大前提だ。
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