【食品偽装】コメ販売会社「イオンライス」会長ら5人を逮捕
2014/09/02 広告法務, 消費者取引関連法務, 不正競争防止法, その他

事案の概要
警察は2014年9月1日、大阪のコメ販売会社「イオンライス」による産地偽装事件で、不正競争防止法違反などの疑いで会長の男ら5人を逮捕した。逮捕されたのは、「イオンライス」の会長・上田裕雄容疑者(59)と娘で社長・奈那美容疑者(31)、元取締役・石田久二容疑者(49)ら5人。上田容疑者らは2014年6月頃、中国産などのコメを混ぜた商品のパッケージに「国内産の米のみ使用」と表示して販売した疑いが持たれており、警察はこれまでに関係先を家宅捜索していた。警察の調べに対し、上田容疑者らは産地の偽装について認めているという。警察は、偽装を始めた経緯などについて詳しく調べる方針。
不正競争防止法第2条第1項第13号は、商品の商品の原産地、品質、内容、製造方法、用途等、役務(サービス)の質、内容、用途若しくは数量について誤認させるような表示やその表示をした商品を譲渡等をすること(誤認惹起行為)を禁止している。また、不正の目的で誤認惹起行為を行った場合や、虚偽表示により誤認惹起行為を行った場合、違反者は5年以下の懲役又は500万円以下の罰金に処される(同法第21条第2項第1号、第4号)。
コメント
食品の産地表示は、食品の品質、そして消費者の安全に関わる情報である。また、2014年7月には、中国の食肉加工業者が期限切れの肉を使用していたことが発覚し、食品の安全性が問題となったこともあり、現在、消費者は食品の安全性を把握する手段として、産地表示に高い関心を持っている。このため、一度偽装が発覚すると、その表示を訂正しただけでは消費者の信用を取り戻すことは難しい。さらに、このような偽装は偽装を行った企業のみならず、食品産業全体の信用を失わせる危険も存在することから、食品の表示偽装の防止は特に求められるが、その完全な防止は難しいのが現状である。
食品の偽装表示防止には企業側の努力が特に重要である。偽装表示は消費者側から発見することは難しく、また、法による規制も事後的な規制が多く、十分な解決手段となることが難しいからである。偽装の背景には利益を追求する経営陣の姿勢が多く見られることから、経営者は利益のために法令に違反するようなことはしないという姿勢を明確にするとともに、表示に関する内部監視のシステム等、社内ルールの構築が必要である。また、産地偽装は他者の監視が及ばない企業内で行われる一方、その影響力が業界全体に及ぶことを考え、業界全体が品質管理のルールや、認証制度を確立させることも有効だろう。
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