消費者庁、偽装表示問題対策に動く~景表法改正へ~
2013/11/20 消費者取引関連法務, 景品表示法, その他

事案の概要
消費者庁は、一連の食品に関する偽装表示の問題を受けて、都道府県が措置命令を出すことを可能とする景品表示法の改正法案を来年の通常国会に提出する方針を示した。法案の検討にあたっては、違反者への直接の罰則を認める規定や、課徴金制度の導入も視野に入れる。
阪急阪神ホテルズを始めとした一連の食品の偽装表示問題については、すでに自民党消費者問題調査会や消費者団体から消費者庁に対する提言がなされており、これを受けて消費者庁が法改正による対策に乗り出すこととなる。
問題とされる現行の景品表示法は、不当な表示の禁止を定めた規定(4条1項)に違反した者に対し措置命令が出され(6条)、これに従わない者は2年以下の懲役または300万円以下の罰金に処される(15条1項)こととなっている。また、措置命令は委任により消費者庁長官が行う(12条1項)こととなっており、都道府県にはその権限は与えられていない。
自民党消費者問題調査会の提言は、現行法の問題を指摘した上で、都道府県に措置命令権限を認めること、直接罰を定めた規定および課徴金制度を導入することを主な内容としており、この提言を基にした議論が期待される。
コメント
食品の偽装表示問題が全国的な広がりを見せている一方で、消費者庁は地方に機関を設置していないことから措置命令の前提となる調査の実施には限界がある。そこで、都道府県による措置命令権限を認めることにより、細やかな監督が可能となるといえる。また、措置命令を経ずに罰則の適用が可能とすることで、企業に適切な表示を促すことが期待でき、消費者の保護につなげることが可能となる。
もっとも、そもそも不当な表示に該当するか否かの判断が難しい場合もあることから、違反者に直接罰則の適用を可能とする規定には要件の絞込みが必要であろう。また、課徴金制度につき実効性を確保するためには、会社の規模や表示の悪質さに応じた柔軟な金額決定を可能にすることも必要であると考える。
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