粗悪ホイール販売で逮捕、品質誤認惹起行為とは
2019/11/19   広告法務, 不正競争防止法

はじめに

粗悪なタイヤホイールを安全基準を満たしていると偽って販売していたとして愛知県警は13日、カー用品大手「オートウェイ」(福岡県)の社長倉元進容疑者(58)ら3人を逮捕していたことがわかりました。

国交省の安全基準マークである「JWL」を偽装していたとのことです。
今回は不正競争防止法が禁止する品質誤認惹起について見ていきます。

事件の概要

毎日新聞13日付によりますと、オートウェイの社長ら3人はホイールの耐久性や強度などの試験を行った上で性能や品質基準を満たした製品に付けるべき「JWL」マークを偽装した低品質なホイールを中国などから安価で輸入し販売していたとされます。

人気ホイールメーカー「BBS」の偽造品をインターネットで販売していたなどとして商標法違反容疑で逮捕した別件の男の捜査の過程で同社の偽装ホイール販売が発覚したものとのことです。
愛知県警は不正競争防止法違反の容疑で3人を逮捕しております。

品質誤認惹起とは

不正競争防止法2条1項20号によりますと、「商品」「役務」「その広告」「取引に用いる書類」「通信」に「原産地」「品質」「内容」「製造方法」「用途」「数量」等について「誤認させるような表示をし、又はその表示をした商品を譲渡」「引き渡し」「展示」「輸出」「輸入」「電気回線を通じて提供」する行為を不正競争行為の一種として規定しております。

実際の品質よりも優良であるかのような表示を規制する景表法の優良誤認表示よりも広範な規制となっております。

違反した場合

不正競争行為によって営業上の利益が侵害され、または侵害されるおそれがある者は差止請求をすることができ(3条1項)、不正競争行為で営業上の利益を侵害された者は損害賠償請求をすることができます(4条)。

また罰則として5年以下の懲役、500万円以下の罰金またはこれらの併科が科される可能性があります(21条2項1号)。

品質誤認惹起行為の具体例

品質誤認惹起の著名な例としては2級の清酒に特急の表示をしていたというものがあります。

この例では必要な審査を受けておらず、酒税法上2級となっておりました。
たとえ実質的には特急の品質であっても誤認表示に該当するとされました(最判昭和53年3月22日)。

また実際とは異なる「約5倍の再石灰化効果」などと表示したキシリトール入りガムや京都産ではない「京の柿茶」、所定の検査を受けずに「PSE」マークを表示して販売した電子ブレーカーなどが挙げられます。

また中立な第三者を装って作成したランキングサイトで自社を1位にする、いわゆるステルスマーケティング行為も該当するとされております(大阪地裁平成31年4月11日)。

コメント

本件でオートウェイは耐久性や品質の検査を行った上で表示すべき「JWL」マークを、性能を満たしていない安価な外国製ホイールに偽装表示して販売していた疑いが持たれております。
これが事実であった場合、上記の例のように品質誤認惹起行為に該当すると判断される可能性は高いと言えます。

以上のように品質誤認惹起行為は規制の範囲が景表法の優良誤認表示よりも広範なものと言えます。
景表法違反の場合は通常消費者庁による措置命令や課徴金納付命令が出されることとなります。
消費者保護を主たる目的としているからです。

そこでこのような表示行為により被害を受けた取引相手や同業他社としては景表法でなく不正競争防止法によって差止請求や損害賠償請求を行っていくこととなります。
自社製品で品質誤認や優良誤認表示が行われていないかだけでなく、同業他社や取引相手の行為によって被害を受けた場合に備えて法令の規定を確認しておくことが重要と言えるでしょう。

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