金融庁が証券会社12社に対して情報管理体制の点検を命令
2012/07/17   金融法務, 金融商品取引法, 金融・証券・保険

概要

大手証券会社の営業職の従業員が、機関投資家への営業の手段として、投資部門等から得た他企業の増資に関するインサイダー情報を漏らしていた問題について、金融庁は、証券会社12社に対して情報管理体制の点検を命じた。

各証券会社は、上場企業の公募増資(新株の発行等)の実務を行う投資部門と、株式等を機関投資家に売る営業部門との間で情報を遮断する仕組みを構築しているが(いわゆる「チャイニーズ・ウォール」)、一部の証券会社でこの仕組みが適正に機能していなかったことが既に明らかになっており、情報管理の不備が指摘されていた。

松下忠洋金融担当大臣は、現時点で点検対象の証券会社の管理体制に不備があると認めているわけではないとして、各証券会社の個別の取引状況を公表することは考えていないという。一方で、問題が指摘されれば証券取引等監視委員会と情報を共有し、行政上の対応も行っていく方針のようだ。

証券会社の中には、営業部長の指示の下、部をあげてインサイダー情報の漏洩を行ってきたものもあり、その証券会社では、当該営業部門の廃止、担当役員の退任及び報酬削減といった社内処分のほか、機関投資家向けの営業部門を監視する管理部門を新たに設置し、通話録音機能付携帯電話の使用を義務化する等の再発防止策を既に講じている。


コメント

証券会社自身も社内調査の上で迅速な処分と再発防止策の構築を行っているが、企業の組織的な犯罪は根深く、行政としては投資部門の情報管理体制に対する改善命令を行うにとどまらず、組織的なインサイダー取引を行った証券会社に対して課徴金や罰金を科すことを検討しても良いと思う。

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