東京地裁、違法アップロード者の情報開示請求を認容
2012/05/09 知財・ライセンス, 著作権法, エンターテイメント
事件の概要
5月8日、東京地方裁判所は、被告プロバイダのソネットエンタテインメントに対して、ファイル共有ソフトを介して、音楽ファイルをインターネット上に違法公開していたとして、氏名等の自らの情報を、日本コロンビア、ポニーキャニオンら原告レコード会社に開示するべく、判示した。
被告プロバイダが、原告レコード会社が権利を有する市販CDの音源共有ソフトによって、権利者の許諾なく公開していたとして、それが著作権隣接権を違法に侵害していると主張していた。これに基づいて、「プロバイダ責任制限法」第4条第1項に基づいて、被告プロバイダの情報公開を2010年10月25日に求めていた。
しかしながら、被告プロバイダに拒否されたため、2011年7月7日に提訴したものである。なお、原告レコード会社は今後開示を受けたアップローダーに対して損害賠償請求等の交渉を行う予定。
※プロバイダ責任制限法
2011年11月に成立した。この法律では、プロバイダの損害賠償の範囲が制限されており、権利侵害があっても、その被害を知らない場合は免責され得る。また、プロバイダに対して、情報の削除や、必要に応じてプロバイダの情報開示を求めることもできる。
コメント
インターネットにおいては、一度開示された情報は、拡散して完全な消去が困難であるという特性がある。それに応じて、削除や損害賠償請求の要件緩和も必要であると考える。これについては、民法の過失主義との関係でも問題があり、われわれ国民の関心の向上と立法的解決が求められよう。
関連コンテンツ
新着情報
- ニュース
- 全国初、東京都がカスハラ防止条例制定を検討2024.4.23
- NEW
- 「カスタマーハラスメント」いわゆるカスハラを防ぐため、東京都は全国初の防止条例の制定を検討して...
- 弁護士
- 中島 星弁護士
- 弁護士法人かなめ
- 〒530-0047
大阪府大阪市北区西天満4丁目1−15 西天満内藤ビル 602号
- 業務効率化
- LegalForce公式資料ダウンロード
- セミナー
- 原 武之弁護士
- 並木 亜沙子弁護士
- 【リアル】人事・労務管理(概要編)-法務担当者向け 法務基礎シリーズ-
- 2024/05/09
- 15:30~17:00
- 弁護士
- 梅嵜 啓示弁護士
- 弁護士法人かなめ
- 〒530-0047
大阪府大阪市北区西天満4丁目1−15 西天満内藤ビル 602号
- まとめ
- 株主総会の手続き まとめ2024.4.18
- NEW
- どの企業でも毎年事業年度終了後の一定期間内に定時株主総会を招集することが求められております。...
- 業務効率化
- LAWGUE公式資料ダウンロード
- 解説動画
- 奥村友宏 氏(LegalOn Technologies 執行役員、法務開発責任者、弁護士)
- 登島和弘 氏(新企業法務倶楽部 代表取締役…企業法務歴33年)
- 潮崎明憲 氏(株式会社パソナ 法務専門キャリアアドバイザー)
- [アーカイブ]”法務キャリア”の明暗を分ける!5年後に向けて必要なスキル・マインド・経験
- 終了
- 視聴時間1時間27分
- 解説動画
- 加藤 賢弁護士
- 【無料】上場企業・IPO準備企業の会社法務部門・総務部門・経理部門の担当者が知っておきたい金融商品取引法の開示規制の基礎
- 終了
- 視聴時間1時間