ベンチャー企業法務への転職まとめ

はじめに

ベンチャー企業について、共通する明確な定義というものはありません。
英語にすれば、Venture=冒険的な、という意味ですが、ベンチャー企業という言葉は和製英語ですので、英語圏では使用できない言葉です。
とはいえ、日本国内においては、一般的な企業(中小企業)と区別して、「ベンチャー企業」と表現されることが多いようです。
よく使われる意味でのベンチャー企業の特徴としては、設立してまだ新しい(5、6年以内)、大手が挑戦しづらい新しいビジネス領域を開拓する中小規模の会社のことをさしますので、以下ではそのように広い意味でベンチャー企業という言葉を使用していきます。
他にも、「スタートアップ企業」という表現をする場合もあります。この定義も多種多様で、使用する人によりかなり異なってきます。ただ、ベンチャー企業の中の1つの形態とされていることが多く、ベンチャー企業よりもさらに革新的に新しいことを行い、短期間で急激な成長を目指す企業というイメージで使われることが多そうです。英語表現としては、Start upは和製英語ではないので、英語圏で使用することも可能な言葉です。

ベンチャー企業のデメリットとメリット

デメリットとしては、安定していないと思われている場合が多いということがあげられます。
厳しい社会状況で先を見通しながら生き残る会社を探すことは経験のある社会人であっても難しく、突然の解雇や倒産もないとはいえません。また、ベンチャー企業では人材が不足している場合が多いため、1人にかかる負担が多くなってしまう可能性もあります。
メリットとしては、大手や中小企業と比較して、実力主義の会社が多いことがあるため、そういった風土の会社では個人の裁量が広く、新入社員・若手であっても年齢に関係なく、努力次第ではどんどん上を目指すことができる可能性が高いといえます。また規模が小さければ、会社全体の流れを個人が把握でき、役員レベルの社員を身近に感じられるということも挙げられます。

ベンチャー企業の法務の内容

ベンチャー企業の業界や規模によってかなり内容が異なるので内容は異なるため一般化することは難しいです。とはいえ、傾向として、大手・中小企業とは違い、契約書のひな型づくりから始まることが多いといえそうです。
よく使用される秘密保持契約、売買契約等についてはもちろんですが、ベンチャー企業ならではの見たこともない形態の契約についての契約書を作る機会もあります。相手方が大手企業の場合には、力関係から相手方の条件をある程度のむ必要もあるので、そういったさじ加減を見極める力・交渉能力も、大手・中小企業以上に必要とされるでしょう。
また、法務業務の流れがルーティン化されていないこともあるので、全体を把握しながら臨機応変に対応し、自ら提案したりマニュアル作りをする等の積極性も求められそうです。そして、各部門が小さいため、法務部門だけではなく、総務人事部門などの管理部門についての業務も任されることもあるため、法的知識にとどまらない幅広い知識があるとよいでしょう。
さらに、時期によっては会社のM&Aや上場を任されることもあるため、大手・中小企業ではなかなかできない経験も望めます。
おしなべて必要なのは、一部ではなく全体を俯瞰し、その時々で自分に与えられた役割を考え、法的知識・法的思考力を使用しつつも、その場その場で対応しながら実行していく力といえそうです。

最後に

ベンチャー企業への就職・転職は当然、メリット・デメリット両方あります。これらは表裏一体であるため、良い悪いと絶対的に言い切れないのが現状です。
双方の点につき、自分のこれまでの経験、これからのキャリアパス等様々なことを考慮にいれつつ考えていけば、正しい方向が見つかるはずで、自分の人生と向き合えるよい機会ともなるでしょう。

中小企業との違い
ベンチャー企業とは
ベンチャー企業の法務 AtoZ-起業からIPOまで

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[著者情報] eogawa

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2005年弁護士登録。
2013年ニューヨーク州弁護士登録。
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2015年、IBS法律事務所を開設。
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2003年京都大学法学部、2016年ワシントン大学ロースクール(LLM)卒。2017年ワシントン州司法試験合格。2011年1月~2012年6月預金保険機構、2016年8月~2017年7月米国シアトルのShatz Law Group勤務。
趣味は、ロングトレイルを中心にランニング全般。
[近時の著作]
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滝川 宜信
(行政書士滝川ビジネス契約コンサルティング代表〔特定行政書士〕・明治学院大学非常勤講師)
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※変更例および主旨は、他の契約にも応用が可能です。
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