補助金企業の献金 指針まとめる 総務省

紙幣

事案の概要

 総務省は、4月18日までに、国の補助金を受けた企業からの政治献金で、寄付が規制対象に該当するか否かにつき指針をまとめた。「離島航路の運行の欠損を補填」する場合や、「耐震改修の追加的な費用負担」をする場合などを、規制の対象外としている。

政治資金規正法

 政治資金規正法は、企業が補助金の交付決定通知を受け取ってから1年以内の政治献金を禁止している(政治資金規正法第22条の3第1項)。これは、交付決定の経緯に疑念を抱かれるのを回避し、結果として補助金が政治資金に還流するのを防ぐ目的である。これに違反して寄附をした会社や役職員は、3年以下の禁錮又は50万円以下の罰金に処せられる(同法第26条の2第1号)。
 現時点でも、国からの補助金等が試験研究、調査、災害復旧に関わるものその他性質上利益を伴わない場合は、補助金企業からの政治献金を例外的に認めているものの、この例外に該当するか否かの基準が曖昧であるとの指摘がなされていた。

今後の展開

 この頃、閣僚や与野党幹部が補助金受給企業から政治献金を受け取った事例が相次いで発覚した。これを受け、民主党は4月10日、政治資金規正法改正案を衆議院に提出している。これは、国や政党・政治資金団体は、企業・団体側に対して、補助金交付決定通知を受けて1年以内の企業から献金を受け取ることはできない旨を知らせるよう義務化するものである。また、国からの補助金を原資とした間接的な補助も規制対象とし、罰則も禁錮3年以下、罰金100万円以下へと強化する。
 各省庁は、今回の指針を受け、2015年度予算の各補助金につき、後の政治献金が制限されるものか否か個別に判断したうえで、5月中旬以降、補助対象企業に対し交付決定通知を行う予定である。

コメント

 違法な献金を行ったとなれば、国や政党との癒着が疑われ、企業の社会的な信用が失われかねない。企業が行った政治献金が政治資金規正法の趣旨に反するものでない旨示すためには、国や政党による手続きだけでなく、献金を行った各企業がそのホームページ上で公開するなどして、当該献金の事実、献金先、趣旨、金額等を国民に容易に認識し得る状態に置く必要がある。

関連ニュース

補助金企業からの献金で指針 総務省(日本経済新聞)

企業法務ナビよりお知らせ
本記事は、約2年9ヶ月前に投稿された記事です。法律を内容とする記事の特性上、その改正や他の特別法の施行、経過措置期間の経過、関連判例の出現などによって内容が古くなり、現在は誤りとなる可能性がありますので、ご注意下さい。
 
[著者情報] saida

詳細情報はありません。

このニュースに関連するセミナー

法務コラム
第93回MSサロン(名古屋会場)
2018年02月15日(木)
19:00 ~ 21:00
2,000円
名古屋市中区丸の内
講師情報
和田圭介
愛知県春日井市出身
京都大学法学部・Duke大学LLM卒業。
2005年弁護士登録。
2013年ニューヨーク州弁護士登録。
世界最大規模の国際法律事務所であるクリフォードチャンス法律事務所を経て、
2015年、IBS法律事務所を開設。
国内外の企業法務案件を主に扱っており、国際取引・英文契約を得意としている。
大手総合商社・外資系企業の法務部への出向経験があるため、企業法務の現場の問題意識にも通じている。
セミナー(60分)の後、交流会(60分)を行います。
今回のセミナー内容は、 「法務部員のための国際仲裁入門」です。
申込・詳細はコチラ
法務コラム
第92回MSサロン(大阪会場)
2018年02月06日(火)
19:00 ~ 21:00
2,000円
大阪府大阪市北区
講師情報
山口昌之
2005(平成17)年10月
大阪弁護士会に弁護士登録
なにわ共同法律事務所入所
2015(平成27)年1月
山口法律会計事務所入所
セミナー(60分)の後、交流会(60分)を行います。
今回のセミナー内容は、 「社員の不祥事に対する会社としての対処法(第2回)」です。
申込・詳細はコチラ

あわせて抑えておきたい関連記事

あらためて確認しておきたい印紙税法改正... 昨年4月1日施行された「所得税法等の一部を改正する法律」により、その一部が改正された印紙税法に基づいて、平成26年4月1日から印紙税の非課税範囲の拡大や軽減措置の拡充がなされる。 本稿では、本改正の対象となる文章についてあらためて確認したい。 改正のポイント 1.金銭又は有価証券の受取書(第...
国際カルテル防止へ、公取委が海外企業への課徴金を検討... はじめに 日経新聞電子版は21日、公正取引委員会が国際カルテル防止に向けて海外企業に対しても課徴金を課す方向で検討している旨報じました。日本企業が海外企業とカルテルを行った場合に日本企業だけでなく海外企業に対しても独禁法を適用できるのか。今回は独禁法の域外適用について見ていきたいと思います。 ...
個人情報保護法改正と企業への影響  2015年5月21日、「個人情報の保護に関する法律及び行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の一部を改正する法律案」が衆議院で可決された。今年6月に発生した日本年金機構の個人情報流出により参議院での審議は見送られているが、原案通りの改正がなされれば、個人情報の取扱いに...