消費税の増税と中小企業保護

記事「消費税の増税と中小企業保護」のイメージ

消費税の増税およびそれに伴う問題点

現在、消費税について、平成26年4月1日、平成27年10月1日に税率の段階的な引き上げが予定されている。
この増税に伴ってしわ寄せが来る可能性が高いのが、小売業者に物やサービスを供給している中小規模の事業者である。
すなわち、消費税の増税分を価格に上乗せしたくない小売業者などが、力関係の弱い小規模の供給業者に対してその分の負担を押しつけることが予想されるためである。
そこで、このような事態を防ぐために、先日消費税特別対策措置法が制定され、またそのガイドラインが公正取引委員会や消費者庁等関係省庁から公表されることとなった。
これらの規制は、中小規模の供給業者はもちろん、小売業者側も規制に引っかかるリスクがあるため、各社の法務担当者のみならず、営業担当者、広告担当者などの関係者は規制内容を知っておくか、最低でも問題意識だけは持っておく必要がある。

禁止行為

禁止行為としては、以下のものがある。
①減額、買い叩き行為
例:本体価格が100円の商品で現在105円の商品を、増税後も105円のまま据え置くよう要求する。
②自社商品やサービスの購入を強制する行為
例:「消費税分の増額を受け入れる代わりに、うちの会社の商品を買ってくれ」と要求する。
③税抜き価格での交渉の拒否
例:供給者側が本体価格と消費税額を分けて見積もりを出すことを拒否する。
④報復行為
例:公正取引委員会に違反の報告などをした場合に、取引を取りやめるなどと脅す。
また、消費税に関連するような形での、広告も禁止される。
例えば、「消費税を価格に上乗せいたしません!」といった形で消費者に訴えかける行為は許されない。

新たに許容される行為

一方で、中小企業保護のために、消費税増税に伴って新たに許容される行為もある。
まず、広告については、景品表示法の規定に関わらず消費税を抜いての商品本体のみの価格の表示、すなわち外税表示が認められうる。
例えば、「9800円(税込10584円)」といった広告も可能である。
また、独占禁止法の規定に関わらず、中小企業群は一定のカルテルを結ぶことも可能となる。
例えば、本体価格に一定の消費税分を価格として上乗せする旨の合意を各企業間で締結することであったり、価格の表示方法について合意を締結することも可能である。

関連サイト

消費税転嫁対策特別措置法等ガイドライン
消費税の転嫁を阻害する表示に関する考え方
総額表示義務に関する消費税法の特例に係る不当景品類及び不当表示防止法の適用除外についての考え方

企業法務ナビよりお知らせ
本記事は、約5年3ヶ月前に投稿された記事です。法律を内容とする記事の特性上、その改正や他の特別法の施行、経過措置期間の経過、関連判例の出現などによって内容が古くなり、現在は誤りとなる可能性がありますので、ご注意下さい。
 
[著者情報] kimi

詳細情報はありません。

※記事コンテンツを掲載したい方は、コチラ

このニュースに関連するセミナー

企業
《名古屋会場》第109回MSサロン
2019年04月03日(水)
19:00 ~ 21:00
2,000円
名古屋市中区丸の内
講師情報
和田 圭介
略歴:
愛知県春日井市出身
愛知県立旭丘高校卒業
2004年 京都大学法学部卒業
2005年 弁護士登録(58期 第二東京弁護士会)
クリフォードチャンス法律事務所外国法共同事業入所
2008年 フランス系ラグジュアリーブランド日本支社(出向)
2010年 アメリカ、Duke University School of Law(法学部)LLM卒業
2010年 クリフォードチャンス香港オフィス(出向)
2011年 日系の大手財閥系総合商社のイギリス子会社の法務部(出向)
2013年 ニューヨーク州弁護士登録
2015年 IBS法律事務所開設(愛知県弁護士会に登録換え)
2017年 オリンピア法律事務所 パートナー
セミナー(60分)の後、交流会(60分)を行います。
今回のセミナー内容は、「基礎からわかる人工知能(AI)に関する法律問題」です。
申込・詳細はコチラ
企業
《札幌初開催》第111回MSサロン
2019年04月18日(木)
18:30 ~ 20:30
2,000円
札幌市中央区
講師情報
岡崎 拓也
平成13年3月 早稲田大学法学部卒業
平成13年10月 司法試験合格
平成15年10月 弁護士登録(56期/札幌弁護士会)
       田中敏滋法律事務所(現在「札幌英和法律事務所」)
平成23年7月 岡崎拓也法律事務所設立
平成23年9月 社会福祉法人北海道光生会・評議員(現在、評議員のみ現任)
平成25年11月 株式会社ホクリヨウ監査役(現任)
平成27年4月 札幌弁護士会常議員会副議長
平成27年6月 フルテック株式会社監査役
平成28年4月 札幌弁護士会副会長
平成28年6月 フルテック株式会社監査等委員取締役(現任)
セミナー(60分)の後、交流会(60分)を行います。
今回のセミナー内容は、「スタートライン企業法務」です。
申込・詳細はコチラ
企業
《東京開催》AIによる英文契約翻訳システム T4OO事例セミナー
2019年04月03日(水)
15:45 ~ 17:15
無料
東京都新宿区
講師情報
登島 和弘
サイネオス・ヘルス合同会社
アジア太平洋地域法務責任者

1961年神戸市生まれ
中央大学法学部法律学科卒
立命館大学法務研究科修了
スタンレー電気㈱総務部庶務課法務担当を皮切りに、日本AT&T㈱(米系)契約課長、松下冷機株式会社法務室主事、
セジデム株式会社(仏系)コーポレートサービス部統括部長・法務部長兼任等、を歴任し、現職。
*企業名は当時のまま。
※日本企業・外資系企業双方で通算30年以上の企業法務・国際法務の経験を有する現役の企業法務責任者です。
AIによる英文契約翻訳システム T4OOを導入している企業の法務担当者が講師を務め、実際の活用事例をご紹介いたします。
申込・詳細はコチラ
企業
《東京開催》少人数法務の為の企業法務研究会
2019年03月27日(水)
19:30 ~ 20:30
無料
東京都渋谷区
講師情報
舩山 達
株式会社フルスピード(東証二部上場)
法務・総務部 部長
慶応義塾大学法学部法律学科卒
大阪市立大学大学院法学研究科法曹養成専攻修了
従業員5人のベンチャー企業に就職。2回の転職を経て現職。
少人数やノウハウの蓄積のないために業務の進め方に不安を持っている法務担当者のための意見交換会です。
今回のテーマは「契約書レビューの手法」です。
詳細はコチラ (申込は、終了しています。)
※セミナー広告を掲載したい方は、コチラ

あわせて抑えておきたい関連記事

ウナギ偽装共謀の疑い ヨーカ堂社員共謀の疑い... 本件は、「ヨーカ堂」が2003年~5年の間に輸入した数千トンの中国産ウナギのうち、禁止薬物混入の疑いが浮上したことなどで需要が激減したため、在庫のうち安全と思われるものを3回に分けて食品販売業の「日洋」(東京都新宿区)を仲介して、水産物輸入販売業の「高山シーフード」(東京都三鷹市)に販売した。 この...
数十億円損失隠し? 証券監視委、「ランド」を捜索... 事案の概要 東証1部上場のマンション開発会社「ランド」(有料老人ホームなどを展開)が、決算を粉飾し、債務超過の事実を隠していた疑いが強まったとして、証券取引等監視委員会と神奈川県警は5日午前、金融商品取引法違反(有価証券報告書等の虚偽記載)容疑で同社など十数か所の一斉捜索に乗り出した。隠していた...
折角の結婚式なのに・・・ 危害・危険の急増  いわゆるブライダルエステ(結婚式を控えた女性に対し、、美顔サービスや脱毛サービス等を、あらかじめ決められた日までに提供するもの)を受けたことで、危害や危険を被ったとの相談が年々急増している、との報告が7日、国民生活センターよりなされた。 主な事例  事例1 結婚式の写真を式の...