インターネット市場での熾烈な競争~グーグル・ヤフーの提携

ヤフー日本法人は、27日、インターネット検索エンジン及び表示広告システムにつき、米グーグルから提供を受けることを発表した。これに対し、両社と同じくインターネット検索サービスを提供する米マイクロソフトの法務担当副社長ディブ・ハイナー氏は自身のブログで、「この提携が実現すればグーグルが日本のインターネット検索及び広告の分野で排他的支配を実現することになる。」と異議を唱え、物議を醸している。日本の公正取引委員会の松山隆英総長は28日の記者会見で、「広告主である顧客に関する情報が両社で共有されない以上、競争条件は損なわれず、独禁法上問題ない。」と発言した。もっとも、今後の展開について「競争状況や市場環境次第では問題となりうる。」として監視していく姿勢を示した。

私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下、独禁法)2条・3条は、事業者間が結合等により、他の事業者の事業活動を排除して公共の利益に反し、一定の取引分野における競争を実質的に制限することを禁止する。これに反した際は、同法7条により、競争制限行為の排除命令が公正取引委員会により命じられる場合があり、さらには同7条の2により一定の場合に公正取引委員会から当該事業者へ課徴金納付命令が下されることとなる。

今回の米グーグル・日ヤフー間の上記提携の合意内容では、提携内容が上記の通りインターネット検索・表示におけるハード面に限られ、広告主との関係や検索結果については両社は従来通り独立した関係となる。そのような事実関係から、インターネット広告主に対しては依然として両社が競争関係にあり、広告主・インターネット検索利用との関係でグーグルの排他的支配には至らないと公正取引委員会に判断されたものと言える。もっとも、松島総長が今後も監視を続けると述べたように、上記提携により広告掲載・検索利用の状況につき、他の事業者からグーグル・ヤフーへの大きな流出が生じれば、独禁法違反となりうることとなる。

企業法務ナビよりお知らせ
本記事は、約7年11ヶ月前に投稿された記事です。法律を内容とする記事の特性上、その改正や他の特別法の施行、経過措置期間の経過、関連判例の出現などによって内容が古くなり、現在は誤りとなる可能性がありますので、ご注意下さい。
 
[著者情報] xxxxxxx

詳細情報はありません。

※記事コンテンツを掲載したい方は、コチラ

このニュースに関連するセミナー

企業
『事例で学ぶ 労務問題解決のセオリー講座』~IRACをきちんと回して解決する労務問題~
2018年08月01日(水)
13:30 ~ 16:30
18,000円(税込)
東京都新宿区
講師情報
登島 和弘
サイネオス・ヘルス合同会社
アジア太平洋地域法務責任者

1961年神戸市生まれ
中央大学法学部法律学科卒
立命館大学法務研究科修了
スタンレー電気㈱総務部庶務課法務担当を皮切りに、日本AT&T㈱(米系)契約課長、松下冷機株式会社法務室主事、
セジデム株式会社(仏系)コーポレートサービス部統括部長・法務部長兼任等、を歴任し、現職。
*企業名は当時のまま。
※日本企業・外資系企業双方で通算30年以上の企業法務・国際法務の経験を有する現役の企業法務責任者です。
当社は、東京にて、企業法務パーソン(企業法務担当者・インハウスローヤー等)のためのビジネススクールを運営しています。
企業法務にまつわる「知識」を学ぶ研修・講座は世の中に数多くありますが、当社が運営するリーガルビジネススクール(LBS)は、
法務担当者としての「思考方法」や「仕事術」を学ぶことに焦点を当てています。

今回は、『事例で学ぶ 労務問題解決のセオリー講座』を開催いたします。

★「休業手当は平均賃金の60%でいいんじゃないの?100%払えって、弁護士名で手紙が来たけど。。。!!」
★「先日入社したAさん。実は逮捕歴があったらしいの。そんなこと、人材紹介業者は何も言ってなかったけど、どうしよう。」
★「裁判所から“債権差押命令”っていうのが来たけど、どうすればいいの?ウチの社員に給料を払っちゃいけないらしんだけど、ホント?」
★「この間辞めた営業部長、ライバル会社で働いているらしいけど、それって問題ないの?」
★「Bさんともう3日連絡が取れていません。電話してもでないし、メールも返信なし。自宅に直接行っても誰もでない。どうすればいい?」

なくなってほしいけれど、そう簡単になくならないのが労務問題。企業が人の集団である以上、労務問題から解放されることはおそらくないでしょう。
そうであるならば、法務担当者や人事担当者は、勘や経験のみに頼ることなく、こうした問題への適切なアプローチを理論として学ぶことがとても重要だと考えます。

本講座では、人事部長も務めたことのある現役の企業法務責任者が講師として、上述の事例をベースに、IRAC* (*Issue, Rule, Application and Conclusion)の手法を用いて、
企業における労務問題への適切なアプローチ ー解決に向けて踏むべきステップー を解説し、またこうした問題への予防策にも言及してまいります。
申込・詳細はコチラ
企業
第101回MSサロン(名古屋会場)
2018年08月02日(木)
19:00 ~ 21:00
2,000円
名古屋市中区丸の内
講師情報
和田 圭介
略歴:
愛知県春日井市出身
愛知県立旭丘高校卒業
2004年 京都大学法学部卒業
2005年 弁護士登録(58期 第二東京弁護士会)
クリフォードチャンス法律事務所外国法共同事業入所
2008年 フランス系ラグジュアリーブランド日本支社(出向)
2010年 アメリカ、Duke University School of Law(法学部)LLM卒業
2010年 クリフォードチャンス香港オフィス(出向)
2011年 日系の大手財閥系総合商社のイギリス子会社の法務部(出向)
2013年 ニューヨーク州弁護士登録
2015年 IBS法律事務所開設(愛知県弁護士会に登録換え)
2017年 オリンピア法律事務所 パートナー
セミナー(60分)の後、交流会(60分)を行います。
今回のセミナー内容は、「取引基本契約書 ~ その作成・交渉の実務及び民法改正に対応する場合の留意点」です。
申込・詳細はコチラ
企業
【名古屋】共同開発契約/ライセンス契約《法務担当者のための英文契約セミナー:第6回》
2018年07月25日(水)
15:00 ~ 17:00
8,000円(税込)
名古屋市中区丸の内
講師情報
和田 圭介
略歴:
愛知県春日井市出身
愛知県立旭丘高校卒業
2004年 京都大学法学部卒業
2005年 弁護士登録(58期 第二東京弁護士会)
クリフォードチャンス法律事務所外国法共同事業入所
2008年 フランス系ラグジュアリーブランド日本支社(出向)
2010年 アメリカ、Duke University School of Law(法学部)LLM卒業
2010年 クリフォードチャンス香港オフィス(出向)
2011年 日系の大手財閥系総合商社のイギリス子会社の法務部(出向)
2013年 ニューヨーク州弁護士登録
2015年 IBS法律事務所開設(愛知県弁護士会に登録換え)
2017年 オリンピア法律事務所 パートナー
英文契約をこれから担当・現在担当している法務担当者の方などを対象としたセミナーです。第6回目のセミナー内容は共同開発契約/ライセンス契約です。
申込・詳細はコチラ
企業
【名古屋】ジョイントベンチャー契約/株主間契約《法務担当者のための英文契約セミナー:第7回》
2018年08月08日(水)
15:00 ~ 17:00
8,000円(税込)
名古屋市中区丸の内
講師情報
大久保 裕史
弁護士・NY州弁護士

グローバルに展開する大規模法律事務所であるクリフォードチャンス法律事務所において、国際的な企業法務を取り扱い、国内外の企業に法的助言を行う。その間に、国内大手商社法務部への出向やワシントンD.C.での勤務も経験。現在は、オリンピア法律事務所のパートナーとして、主に中部圏の企業の国際取引・海外進出をサポートしている。

略歴:
早稲田大学法学部・法科大学院卒業、
コロンビア大学ロースクール(LLM)卒業
2009年12月 弁護士登録
2010年1月~2018年4月
クリフォードチャンス法律事務所 外国法共同事業
2012年6月~2014年2月 三井物産株式会社 法務部(出向)
2015年9月~2016年7月
クリフォードチャンス・ワシントンD.C.オフィス(出向)
2016年5月 ニューヨーク州弁護士登録
2018年5月~ オリンピア法律事務所 パートナー
英文契約をこれから担当・現在担当している法務担当者の方などを対象としたセミナーです。第7回目のセミナー内容はジョイントベンチャー契約/株主間契約です。
申込・詳細はコチラ
企業
【名古屋】AIに関する法律問題《ITビジネス法務勉強会:第3回》
2018年08月09日(木)
15:00 ~ 17:00
3,000円(税込)
名古屋市中区丸の内
講師情報
和田 圭介 杉谷 聡
■和田 圭介
略歴:
愛知県春日井市出身
愛知県立旭丘高校卒業
2004年 京都大学法学部卒業
2005年 弁護士登録(58期 第二東京弁護士会)
クリフォードチャンス法律事務所外国法共同事業入所
2008年 フランス系ラグジュアリーブランド日本支社(出向)
2010年 アメリカ、Duke University School of Law(法学部)LLM卒業
2010年 クリフォードチャンス香港オフィス(出向)
2011年 日系の大手財閥系総合商社のイギリス子会社の法務部(出向)
2013年 ニューヨーク州弁護士登録
2015年 IBS法律事務所開設(愛知県弁護士会に登録換え)
2017年 オリンピア法律事務所 パートナー

■杉谷 聡
略歴:
愛知県一宮市出身
愛知県立一宮高等学校卒業
2016年 一橋大学法学部卒業
2017年 弁護士登録(70期 愛知県弁護士会)
オリンピア法律事務所入所
ITに関する法律を学び、ビジネスに活かしていただくためのITビジネス法務セミナーです。第3回目のテーマはAIに関する法律問題です。
申込・詳細はコチラ
※セミナー広告を掲載したい方は、コチラ

あわせて抑えておきたい関連記事

企業が農業に参入するにはー現状とその課題... 事案の概要  安倍総理は6月5日、成長戦略第三弾の講演を行った。  その中で、4農地の集約化をすすめる農地バンク、利用可能な農地を誰でも見られるようにする農地マップの整備を行うとの意見表明を行った。これにより更なる企業の農業への参入を促進する方針である。 農業の担い手が高齢化し、耕作放棄地が...
J・フロントが公開買付け(TOB)によりパルコ株の65%を取得... 概要 百貨店の大丸及び松坂屋を傘下に持つJ・フロントリテイリングは、専門店ビル運営大手・パルコの普通株式を公開買付け(TOB)で取得した。公開買付け前にJ・フロントリテイリングが保有する株式は発行済み株式の27.02%だったが、18.7%を保有する大株主の日本政策投資銀行等から株式を買い付け、発行...
トヨタ自動車 天津工場を一部休止 事案の概要 トヨタ自動車は今月22~26日に、天津市にある合弁工場の生産ラインを一部休止する見通しであることが、16日分かった。 尖閣諸島の領有権をめぐる反日感情の高まりで、新車販売が低迷していることが要因だ。 トヨタの天津工場は、「カローラ」「クラウン」などの生産を手がける、中国最大の生産拠点...