【シンガポール】不法移民の雇用で逮捕される雇用主が増加-外国人雇用の規制強化が影響か?

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事案の概要

 シンガポールで、不法移民を雇ったために、逮捕される雇用主が今年に入り増加している。移民検査局(Immigration and Checkpoints Authority :ICA)の発表によると、今年、1月から6月までの間に、不法移民を雇用したために、逮捕された雇用主は、55人に上るという。前年同期が15人であったことを考えると、大きな伸びを見せている。

 2012年からICAの移民対策の権限が強化されたことが、摘発数の増加に繋がっていると見られているが、一方で、外国人労働者の雇用規制強化が影響を与えているとの見方もある。

 シンガポールでは、国内雇用の確保という観点から、2011年より外国人労働者の削減を目指して、外国人雇用の規制強化が進められてきた。主だった対策は、外国人雇用税の引き上げと、外国人労働者雇用枠の縮小である。
外国人雇用税は、外国人労働者の人数を管理するために、導入された価格制度である。政府は、2015年7月までに、平均で50から160シンガポールドル(約3700から11900円)引き上げる予定で、業種によって異なるものの、建設業は、最大の増額となり、月1050シンガポールドル(約78000円)が課せられる見込みである。
 また、外国人雇用枠については、例えば、サービス業では2013年4月から、雇用枠が従業員の45%から40%に縮小された。
 さらに、Sパス(中技能向け労働許可証)保持者の雇用枠も7月より、20%から15%に縮小された。

 こうした、規制強化策を受け、企業のシンガポール人を対象とした求人が増加しており、国内労働者への需要は増加傾向にある。
一方で人件費の高騰から、企業体力の乏しい会社が、不法移民の雇用に手を出すケースも増えてきている。

コメント

 不法移民の雇用で、雇用主が逮捕された会社の多くが、サービス、建設業である。こうした業種は、低賃金の外国人労働者に依存しているために、人件費の高騰は、死活問題である。
 もちろん、不法移民の雇用は違法であるが、多くの企業が人件費の高騰に悩まされていることにも目を向ける必要がある。

 外国人雇用の規制強化によって、シンガポール人の雇用確保という効果は、現れつつある。しかし、少子化が進む中で、将来的には、外国人労働者の需要が、今よりも高まることも予想される。今回の規制策は、諸刃の刃となりかねない側面を持っている。

企業法務ナビよりお知らせ
本記事は、約5年8ヶ月前に投稿された記事です。法律を内容とする記事の特性上、その改正や他の特別法の施行、経過措置期間の経過、関連判例の出現などによって内容が古くなり、現在は誤りとなる可能性がありますので、ご注意下さい。
 
[著者情報] ryo

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