モバイルアプリストア、FBIにより閉鎖―著作権の刑事訴追の動向を考える
2012/08/27 知財・ライセンス, 著作権法, IT
概要
米司法省(DOJ)と米連邦捜査局(FBI)は8月21日(現地時間)、著作権のあるAndroidアプリを違法にコピーして販売していたとして、3つのオンラインショップを遮断したと発表した。モバイルアプリストアを遮断するのはこれが初めて。
こうしたオンラインショップの多くは海外のサーバで運営されているため、捜査はFBIだけでなく、オランダやフランスをはじめとする米国外の当局と協力したという。
コメント
従来米国においては、著作権侵害者の刑事訴追は、通常音楽レコード及び映画の大規模かつ組織的な海賊行為に対してのみなされ、どちらかというと消極的であった。
今回の動きで、直ちに刑事訴追が積極化する方向へ変化したということはできないだろう。
しかし、違法ダウンロードの市場は大きく広がっており、正規の製品の売り方を変えさせるまでになっている。たとえば、先月、人気AndroidゲームメーカーMADFINGER GAMESが、Android向けゲーム「DEAD TRIGGER」の違法コピー率があまりに高いので、無料化してアプリ内決済だけで収益を上げるようにしたと発表している。
このような動きからすれば、著作権者側が刑事訴追の現状に満足するとは思えず、刑事訴追は徐々に積極化すると思われる。
企業法務に勤める者としては、まだダウンロードした者が刑事訴追された例はないとはいえ、違法ダウンロードをしたことが著作権者側である取引先等の会社に露見した場合、こちらが意図していなくとも自社の企業のイメージが深刻に悪化することは想像できる。
違法ダウンロードされたソフトは正規品と見分けがつきにくく、知らないうちに使っている人も多いが、日々情報を集め、社員が違法ダウンロードソフトに手を出さないようにさせることが重要だと思われる。
【関連リンク】
・ITニュース該当記事
・インターネット上の著作権侵害に関する各国の法制度(PDFファイル)
新着情報
- 解説動画
- 江嵜 宗利弁護士
- 【無料】今更聞けない!? 改正電気通信事業法とウェブサービス
- 視聴時間53分
- まとめ
- 借用書と金銭消費貸借契約書 まとめ2024.2.21
- 金銭の貸し借りがなされる際に作成されるのが金銭消費貸借契約書です。返済が滞った場合など、裁判所...
- 業務効率化
- 鈴与の契約書管理 公式資料ダウンロード
- セミナー
- 大橋 乃梨子 弁護士(弁護士法人GVA法律事務所 シニアアソシエイト/東京弁護士会所属)
- 井川 湧理 弁護士(弁護士法人GVA法律事務所/第二東京弁護士会所属)
- 【オンライン】事業譲渡と株式譲渡における法務DDの概要と着目ポイント<基礎編>
- NEW
- 2024/04/09
- 12:00~12:30
- 弁護士
- 南川 克博弁護士
- 弁護士法人かなめ 福岡事務所
- 〒810-0801
福岡県福岡市博多区中洲5丁目3−8 アクア博多 5階
- 業務効率化
- Araxis Merge 資料請求ページ
- ニュース
- ごま油の卸売りでカルテルの疑い、メーカー4社に立ち入り検査 ー公取委2024.3.21
- ごま油の卸売価格つり上げのためにカルテルを結んだ、独占禁止法違反の疑いがあるとして、公正取引委...
- 弁護士
- 大口 裕司弁護士
- 三村小松法律事務所
- 〒100-0005
東京都千代田区丸の内2-1-1 明治生命館 6階
- 解説動画
- 弦巻 充樹弁護士
- 【無料】M&Aの基礎とリスクヘッジの実務
- 終了
- 視聴時間1時間