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⑨メールマーケティングについて

執筆者: ECサイト運営企業法務部員
投稿日時: 2009-09-21 14:30:21

今回と次回は、狭義のマーケティング、すなわち広告・集客手法について述べたいと思います。今回はメールを利用した広告・集客についてです。


メールによる集客について

ECにおいても、広告・集客手法はさまざまあります。なかでも、メールによるマーケティングは、ECの初期から使われてきた典型的な手法となります。

しかし、このメールによるマーケティング手法は、迷惑メールの過剰な増加によって段階的に規制が強化されてきました。現在では、たとえ題名に「未承諾広告※」と入れたとしても送信の承諾のないメールの送信は原則禁止されています。(ご注文を受け、ご注文状況に関するメールを送信するのは問題ありません。ただし、付随して全く関係ない広告内容が多く入るなどの場合には法に抵触する場合もあり得ますので注意してください。)

では、どのようにメールを集客に用いるかといいますと、楽天などのモールでは、「くじを引いてポイントを付与する代わりに○○というお店のメルマガを購読する」という形で、予め同意を得て大量にメールアドレスを収集し、店舗に販売提供しています。このような場合にはメールも集客としても用いることができます。また、たとえばポイントサイトがポイントサイトの会員向けに配信しているメールの中に広告枠があったりもします。

以上のような手法であれば、基本的に法的に問題なくメールによる集客が実現できます。ただし、少なくともPC向けのメールによる集客は、開封率・クリック率・コンバージョン率ともに低く、効果への期待はあまり持てません。一部、開封率・クリック率だけは異常に高い広告もありますが、それはクリックによるリターンがユーザーにある場合(例:クリックするとそのポイントサイトのポイント付与など)になります。そのような広告の場合、コンバージョン率がさらに低くなるのに加え、ページビュー数が急激に増加し、サーバー負荷がかかる恐れもありますので注意が必要です。

一方で、携帯向けのメールによる集客は、開封率がPC向けに比べて比較的高いものになります。ほとんどの携帯電話端末は、未読メールがあると画面上で常に表示することに加え、携帯のメールは内容が長くないことがほとんどだからです。ただし、クリック率とコンバージョン率については、メールの内容やサイトの構成により著しく異なるようで、効果がどの程度あるかは一概には言えません。


メールによるリピーター戦略について

以上がメールによる集客となりますが、昨今メールについては、集客というよりも囲い込み戦略の一部として用いられる意味が大きくなっています。一度利用していただいたお客様に、利用と同時にメールマガジンの送信許可をいただき、定期的なメール配信で再度の訪問を促すという手法です。PC向けメールマガジンについては、開封率自体は低いですが、一度利用していただいたお客様で、前回の取引に満足なさった方が多ければ、コンバージョン率は通常の購買よりも高くなります。ECサイトが展開できる数少ないプッシュ型の営業となりますので、ここに力を入れる運営者も多いようです。メールマガジンの開封率・クリック率の上昇については、多数の書籍や講座が開催されています。ここを攻めようという方はぜひ検討してみてください。


リピーター戦略時のメール配信時の注意点

まず、PC向けとモバイル向けのメール配信で共通の注意点を挙げます。

・事前に許可を必ず得る

 (あらかじめメールマガジンのサンプルを用意し、このような内容を配信するが良いかという効き方をするのが望ましい。特にメールマガジンの形式[text/html]は明示する。)

・メールアドレスの管理は、PCアドレスとモバイルアドレスを別に管理できると望ましい

 (システムによっては、メールの文面を用意して送信できても、PCとモバイル宛で分けて配信できない場合がある。)

・メール内に、法律指定の項目を必ず記載する(特定電子メール送信の適正化などに関する法律や省令に注意)

・メール内に、配信停止のためのリンクを挿入する

・転載などされないように、著作権表記と転載禁止文言を入れる

・誤字/脱字に注意。とくに価格表記。(メールは記録に残る)

・なるべく作成者と別の人が内容をチェックする

・もちろん他の法規に反するような表記は避ける(特定の人を誹謗中傷、わいせつ表現、個人情報を記載など)

・なるべくならテキスト形式で配信(HTML形式は絶対に読まないという方もいますが、普及の兆しが見えてきています。おそらくWebメールの普及により開きやすいからだと考えられます。)


次に、モバイル向け特有の注意点について挙げます。

・配信時間に注意(そのうち法規制が入るとも思っていますが、さすがに迷惑なので夜中や早朝の配信はやめましょう。楽天などは自主規制しています。)

・デコメール(HTMLメール)であれば、必ず配信テストをする(キャリアや端末により見栄えが異なったり、コーディングにより表記が崩れるおそれもある。それにより価格が違って見えたり、商品画像が違うものとしてみえてしまうと問題)

・メールの容量に注意(パケット代を気にする方もいます。できれば容量は限定を設け、お客様には一通を受信する際には最大で何円かかるかを明示するのが親切かと思います。)

・添付の画像形式に注意(jpgであれば問題ないですが、jpgでも標準的なjpgかを確認。プログレッシブjpgなどの場合、開けない端末があります。)

・タイトルの文字数(ドコモ一部機種では全角15文字までです)


PCとモバイル

モバイルについては、サイトもメールも別の担当者が行うというケースも増えているようです。PCとモバイルとではシステムがだいぶ異なり、機種間・キャリア間の互換性も完全ではありません。また、表示領域や、操作系が異なるため、PC版とは異なる手法が必要となります。法的な注意点についても異なる部分がありますので、担当者とは十分に内容を確認する事が必要と思います。