⑧運営体制全体について
執筆者:
ECサイト運営企業法務部員
投稿日時:
2009-09-21 14:29:54
これまでのコラムを見ていただければわかるように、ありとあらゆる場面で法的な観点からの注意が必要です。重要な事は、ECは、システムでほぼ全て回っているので、これまでに述べたようなことを把握した上でシステムをどう構築するか、システムの周りをどう固めていくかを考えていく必要があるという事です。通常の商売と同様、トライ&エラーの繰り返しとなりますが、事業規模が小さいころからでもシステムに対する比重が大きいことが特徴です。
これまでは、全体的な概要・サイトの構築・仕入れなど商品の受注から発送・配送までを取り扱ってきました。今回は、発送後について述べたいと思います。
ECに対して、「商品を送ったらおしまい」という印象をもたれているお客様は少なくありません。多くのお客様は、少しの不満や商品不具合などの場合には、お店に文句を言うこともせずあきらめてしまいます。そこを逆手にとって、アフターフォローに全く力を入れないECサイトがあることも事実です。
しかし、商材によっては初期不良がどうしても発生してしまうものもありますし、配送上のミスにより商品が故障ないし破損してしまう場合もあります。また、そもそも違う商品を送付してしまったなどの場合や、お客様で気が変わり注文商品が必要なくなったなどの場合もあり得ます。
アフターフォローについては、ECに対して多くを期待しているお客様が多くないこともあり、口コミサイトやショップレビューサイトでも「祭り」になることはほとんどありません。しかし、だからこそアフターフォローでは、「お客様の期待以上」のことを実現することが容易とも言えます。リピーター戦略という点では未だ成熟していない今こそ力のいれどきかもしれません。
まずは簡単に実現できる方法として、商品の発送から5日~2週間の間に名目は何でもかまいませんので、お伺いのメールを送ってみるというのはいかがでしょうか。「先日はご利用いただき誠にありがとうございました」「商品は無事お使いいただけてますか?」「何か問題などありましたらご連絡下さい」などの内容になるかと思います。
これだけで、だいぶお店に対する印象も違いますし、お客様もまた再度サイトを訪れやすくなります。実際にこれらを送信した場合、返信に御礼や「実は…」という形でメーカーサポートへの不満点を挙げてくださったり、配送会社への不満点を挙げられるお客様もいらっしゃいます。お店側としては謝罪を行った上で、当該メーカーや配送会社へクレーム・対応変更をお願いしたり、メーカー自体の取り扱いをするかしないかをそもそも検討しなければならないという貴重な気づきをいただくこともあります。このように、お客様と良好なコミュニケーションをとることができ、なおかつ自社のサービスの向上をはかることが出来る機会が生まれるのです。
ただ、この配送後メールについては、注意点が2つあります。
1つは、「商品の注文から発送まで」をお店側がきちんとしたクオリティで提供していない場合には、そのようなメールは逆効果ということです。
2つ目として、当該メールは、「注文に付随する連絡メール」なのか「注文時に取得したメールアドレスに対する不許可の営業メール」なのか不明です。もし事前の許可を得ていない場合には、特電法(特定電子メールの送信の適正化等に関する法律)上の規制に反するおそれがあります。きちんと事前にメール送信の許可を得ておくか、「送信内容を注文に関する連絡」に強く限定する必要があります。
また、返品・返金を認めるか否かについても、現在EC業界は揺れています。返品については、【第3回】の特定商取引法の部分で述べています。返品を認めるかどうかについては、お客様都合の返品と店舗ミスの場合とで分けて考えることと同時に、取り扱い商材によっても異なり得ますので是非検討を加えてみてください。
いかがでしょうか。いずれにせよ、アフターフォローについても、事前に「このような対応をとります」といった形で明示しておくのがベストです。

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