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⑦モールへの出店展開について

執筆者: ECサイト運営企業法務部員
投稿日時: 2009-09-21 14:29:24

ECを語る上で、モールを無視する事はできません。ECといえばモールというお客様も多いようです。実際、インターネット白書などによれば、EC利用者のうち「価格.com」などを利用している人が1割もいないのに対して、モールを利用しているのは4割以上もいます。


モール?

 モールとは、「楽天市場」や「Yahoo!ショッピング」、「Bidders」などのサイトを指します。そのサイトの運営者自体は基本的に販売を行わず、そのサイトの運営者が提供するシステムやサイト上で販売を行うものとなります。ここでは、実際の販売者は「出店者」として営業を行います。出店者は、モールのシステムを利用して商品の販売を行うという構造です。お店のURLは、例えば楽天市場であれば、「http://www.rakuten.co.jp/○○○(その店独特な文字列など)/」となります。

 モールに対して、独自のURLでサイト運営を行うサイトを、本コラムでは便宜上「独自ドメインサイト」と呼びます。


モールの長所/短所
モールの長所

 現在では、多くのショップがモールを利用しています。では、そのモールを利用する利点はなんなのでしょうか。

 ECの主要要素は、「集客」と「販売」です。モールに出店すると、この「集客」を良い品質で担ってくれます。そもそも、モールを訪れるお客様は「お買い物をするためにモールに訪れる」比率が非常に高く、また購買意欲を高める様々な施策をモールが実施しています。単に検索エンジンで商品を検索する方よりも、モール内で商品を検索する方の方が購買意欲が高いのです。その他、ポイント制度や他のサービスとの連携によって「モール内に囲い込む」戦略をとっています。通常の一般的なECに比べ、購買意欲という点で「優良な顧客」を数多くもっているのがモールなのです。この点が、モールを利用する最大の利点となります。実際、多くのサイトで、同じお店でも独自ドメインサイトよりモール内サイトの方が売り上げが良いという話を聞きます。

 その他にもモールを利用するメリットは多々ありますが、代表的なものを以下にあげておきます。

   ・すでに当該システムを利用した顧客が多く訪れるので、サイト操作の面で壁が無い

   ・モール独自のコンサルティングサービスがある

   ・独自ドメインでシステムを構築するよりもシステム面ではコストパフォーマンスが良い

   ・個人情報をモール事業者が保持・管理しているため漏洩リスクが分散される

モールの短所

 このように有用なモールですが、短所ももちろんあります。これらのうち、モール事業者がある程度改善できるものもあれば、改善が不可能なものもあります。代表的なものを以下にあげておきます。

  ・手数料分利益率が減少する(ただし、上述したようにモールは「集客」を無料で行っているので、「広告費」と考える事も可能です。)

  ・モールのシステム自体の不便さがある(多くのサイトはモールのシステムだけで完結しない。)

  ・マーケティングや販売手法が独自ドメインサイトとは細かく異なる部分が多い

  ・売掛金の回収タームが長い場合がある

  ・モール内でのノウハウは蓄積していくが、そのノウハウが独自ドメインサイトに通じるとは限らない

  ・将来的にモール事業者そのものがどうなるか、手数料やシステムの変更のおそれもある。

  ・独自ドメインサイトとは違いSEOにも限界がある(その分、モール事業者が集客。モールに併せたSEO手法も存在する。)


モール運営時の法的注意点

 まず、独自ドメインサイトと違い、モール内で適用される規約を確認する必要があり、それに従わなければなりません。これは、モール事業者毎、利用するサービス毎に異なるため、一概に申し上げる事ができません。他方で、法律に関する注意点や規制内容については、モール事業者がまとめて知らせてくれたり、システム上も対応してくれます。

 モール独自のルール例としては、外部リンクへの禁止などがあります。自らの独自ドメインサイトへのリンクを張る事や、メールでの案内は禁止されています。これはモール事業者が集客を担っているにもかかわらず、その集客した客をモール外に逃がす行為で、モール事業者および他のモール内ショップ全体の利益に反するとされています。また、実質的な理由として、いきなり他のサイトに飛ばされると購入意欲がなくなるという現象もあります。

 その他、利用できる画像の形式やページ内容量の制限、動画コンテンツの貼り付け禁止、メールマガジンの配信内容・数・配信時間への制約などさまざまなモール独自のルールがあります。モール独自のルールについては、モール事業者毎、利用するサービス毎に異なる上、態様などにより許容される場合などもあるので、モール事業者の説明を確認することや担当者に確認することが必要になります。

 上述のようにモール事業者は、法的な注意点などを指摘してくれますが、実際に提供しているページの内容については、出店者が責任を負う事になります。モールだからといって、適当な内容にしてもよいというわけでもなく、フィルターがかかっている訳でもないので注意してください。例えば、価格の誤記載などは、独自ドメインサイトと同様の問題をはらみます。


モールの利用について

 モールは、現在の日本のECにおいては非常に大きな力を持っています。うまく利用する事で自社の売り上げを大きく伸ばす事もできますので、うまく付き合っていきましょう。