④EC運営システムの運営について
執筆者:
ECサイト運営企業法務部員
投稿日時:
2009-09-21 14:27:41
ECでは、EC用のシステムを利用して運営する方がほとんどかと思います。
EC用システムには、無料で使えるものから月何十万もするものまで様々なものがあり、一概に管理体制や運用体制について述べることはできません。ですので、ここでは基本的な事項を述べていきたいと思います。
まず、利用しているシステムがどのようなシステムなのか少なくとも概要は知っておく必要があるように思います。PHPとMySQLで構築されたものであれば、PHPの脆弱性やSQLの脆弱性を突く手法でシステムへの侵入を許したというニュース報道があった場合、自分たちのところはどうかと気を配ることができます。特に、自社のサーバーでシステムを運営し、外部の運営者が管理・運営しているわけではないときは、気付いて修正できるのは自分たちしかいないので、把握しておく必要があります。
どのようなシステムであれ、アクセスできる人・出来ない人を管理する機能はあると思います。システムによっては、各機能毎にアクセス出来る人・出来ない人を細かく指定できるものもあります。
基本的なことですが、不必要な権限をもたせないことと、アクセスする必要が無い人にアクセスさせないように注意してください。
また、社内のPCへのアクセスについても注意が必要です。現在のPC(ウェブブラウザ)は、パスワードを自動入力する機能も備わっているため、社内のPCを誰でも使えないように管理する必要もあります。
これもまた基本的なことですが、社内のPCに情報流出の恐れがあるソフトウェアを入れないように徹底することも必要です。あきらかに危ないP2Pソフト「Winny」や「Share」、「Perfect Dark」など以外にも、通常のソフトウェアにも関わらず何らかの情報を送信するソフトウェア(スパイウェアとも呼ばれます)もあります。すでに情報流出事例が多く報道されている「Winny」や「Share」などのインストールを禁止するのはもちろんとして、その他にもスパイウェアをインストールしないよう、スパイウェア検知機能のあるセキュリティソフトなどを導入するようにしましょう。
なお、このスパイウェアに関わらず、アンチウイルス・ファイアーウォール機能が備わったセキュリティソフトは必ず導入するようにしてください。もはや当たり前のセキュリティ対策と言えます。
従業員数が少ないなど事業規模が小さい場合に特に顕著ですが、雇用契約上の義務がはっきりしていない場合が多いです。きちんと、雇用時・退職時には、機密情報の持ち出し、無断使用などを禁ずる契約とし、誓約書を書いてもらうのがよいです。
特にフリーのシステムを用いている場合、日本の法改正に迅速に対応出来ない場合があります。きちんと基本機能を使いこなせていれば解決できる問題もありますが、これから先、すぐには対応出来ない問題が起きる可能性もありますので、常に関係のありそうな法案の情報などには目を光らせておき、システムを見直していく必要があります。
一時期話題になった事例ですが、価格を著しく安く表示してしまい、そこに注文が殺到するという事例がありました。間違いを犯さないことはもちろんですが、その状態で注文が入ってきても「契約が成立している」と言われないように、注文確認時のメールには「まだ注文は成立していません」といった文言を記載することや、規約などでも契約成立時点を遅らせておくなどの対策も必要と思います。一時期話題になったとはいいましたが、現在でもコンスタントに発生事例を見かけます。
サイト上の機能を追加し、サイト内回遊性やコンバージョン率、併売率などだけでなく、単純に利便性を上げるという戦略があります。
これらについても、各機能の詳細を把握し、それが法的にどのような問題をはらむかに注意する必要があります。これは、単に法律の条文に反するか否かではなく、お客様がその機能を利用した上でどう見えるか、どう思うかという点も注意を払う必要があります。
例えば、ある商品を表示した際、その商品と関連する商品を「この商品に関連する製品はこちら」という形で表示する機能(一般にレコメンド表示と言われます)を導入したとします。どのようにして関連性を判断するかにもよりますが、一般的な手法(ベイジアン理論)を用いた場合には問題が生じる恐れがあります。
それは、例えば一眼レフカメラの商品ぺージに、「この商品に関連する製品はこちら」という形で、カメラ用レンズが表示されていた場合などに起こります。きちんと対応した商品が表示されていれば良いですが、一般にレコメンド表示では「対応しているかどうか」で判別は行われませんので、対応していない商品が表示されている場合があります。このような場合に、「関連する製品だから対応しているということだろう」とお客様が思ってしまうことはやむを得ないとも言えます。実際、弊社では無いですが、それで購入してしまいトラブルになった事例もあります。
このような機能を導入する場合には、「この商品に関連する製品はこちら」ではなく「こちらの商品もおすすめ」や、下の方に「※対応した商品であることを示すものではありません」など注意を促す対応が必要になるかと思います。
このようなレコメンド機能だけでなく、何か機能を追加するという場合には、色々と注意してみてください。すでに同様の機能を導入している店舗があれば、その店舗の評価サイト(価格.comのショップレビューなど)を見て、その機能について書かれていないか探してみるというのも手です。

お問い合せフォーム